1)坐骨神経痛とは
一般的にお尻から太もも、ふくらはぎや脛(すね)、足先にまで痛みや痺れ(しびれ)が出るものを坐骨神経痛と総称して呼びます。
ひどい場合には痛みの為に休み休みでないと歩けなくなる場合もあります。
実際には坐骨神経痛と言う病名は無く、幾つかの主な病気が坐骨神経を司る範囲に痛みをもたらしているのです。
2)坐骨神経痛と呼ばれる症状には大きく分けて3つのタイプに分けられます
① 背骨が関係するもの(椎間板ヘルニア・腰椎分離症・脊中管狭窄症)
② 筋肉が関係するもの(梨状筋症候群・大腰筋の過緊張)
③ 内臓疾患(悪性腫瘍・脊髄疾患)
安静にしていても激しく痛むようであれば、③内臓疾患(悪性腫瘍・脊髄疾患)の可能性があります。まずは病院で検査をして下さい。
病院にて異常が無いと言われた場合には②筋肉が関係するもの(梨状筋症候群・大腰筋の過緊張)である可能性が高くなります。迷わず当院へお越し下さい。
①背骨が関係するもの(椎間板ヘルニア・腰椎分離症・脊中管狭窄症)の場合であっても痛みを減らす事が出来る可能性があります。ご来院をお待ちしております。
3)筋肉が関係する坐骨神経痛
梨状筋や大腰筋などの筋肉が坐骨神経を圧迫して神経痛が起きている場合には、 腰とお尻に対する治療がメインになります。
足に痛みや痺れが出ているのは、腰からから出ている神経がお尻の梨状筋と言う筋肉で圧迫されているからです。
長時間車の運転をしていると痛みが増す。仕事で座りっぱなしの時に痛みが出る人が多いのは、梨状筋は丁度座面の位置にあり、座ると押しつぶされて圧迫されるので痛みが出ます。
長時間座る場合にはクッションを入れるなどの工夫をすれば痛みは軽減されます。
当院では横を向いて寝て貰ってから膝を抱える体育座りのような格好になって貰い、梨状筋を触診出来る状態にしてから鍼を打っていきます。
身体の奥の方でズンとした刺激がありますが、皆さん一様に「あ、それです!」と仰います。
教えてくれなくても知ってますとは言えませんので、「そうですよね」と答えるようにしています(笑)
基本的には鍼を主として使いますが、お灸や温灸(温かいお灸)なども併用して 治療を進めて行きます。
治療回数の目安としては、2~5回の通院で痛みやしびれの除去を図りますが、症状が重い場合にはもう少し回数が多くなる事もあります。
4)自宅で出来る対処法
まずは腰からお尻にかけてをしっかりと温めてあげることが大切です。
蒸しタオルや当院手作りのホットパックを使って15分~20分しっかりと温めてあげます。
太ももや膝下に痛みやしびれがある場合には、その箇所に乾いたタオルを置き、その上からドライヤーなどで温めてあげれば症状は和らぎます。
お風呂に入る事も有効ですが、入浴後に身体を冷やさない事が大事です。
室内を暖めた状態でお風呂に入り、入浴後は保温に努めましょう。神経痛症状の場合には温める事が重要です。お灸も有効ですよ。
神経痛は季節の変わり目に多く起こります。
当院にも春と秋に2回ほどピークの時期があり、その時節にはまた神経痛かと言うくらい神経痛でお困りの方が多く来院されます。
中には1年に一度、神経痛が出た時だけ来院する方もいらっしゃいます。足先に痛みや痺れを感じたら鍼灸院を思い出して下さい。