お灸は身体の万能薬
年配の方はお灸って聞くと、「灸を据(す)える」と言う言葉を思い出すようで、途端に嫌な顔をされます。
昔、悪いことをした罰に熱いお灸を据えられた方も多いかもしれません。
しかし私の使うお灸は熱さを調整しますので、そう熱いものではありません。
むしろ温かくて心地よいと感じる方がほとんどです。
逆子のお灸の場合にはチクッと熱い刺激を加えることがありますが、それ以外ではほぼ熱さは感じないでしょう。
自宅で出来るお灸もあります。それは底に台座が付いているので火傷の心配も無く、チクッとした熱さで済みます。
台座の裏がシールになっていて剥がれにくいですし、灰が落ちることも無いよう工夫されているので一般の方でも簡単にお灸をすることもできます。
でも「お灸ってそもそも何?」とか「お灸をするとどうなるの?」という基本的なことを知らない方が多いかと思います。
そんなお灸について検証してみましょう。
■ そもそもお灸って何?
お灸って何から出来ているのでしょうか?案外知られていないようですが、お灸の成分はヨモギです。
ヨモギ葉を乾燥させ、石臼で細かく粉砕して加工したものが「艾(もぐさ)」となります。
この艾のことを一般的に「お灸」と呼んでいるのです。当院では最高級の艾を使用しています。
高級艾は原料のよもぎから2~3%くらいしか取れないと言われているのでかなり貴重です。
当院で使用している艾は小林老舗さんのものを使っています。
■ お灸をするとどうなるの?
お灸は艾(もぐさ)に火を付け、じんわりとした熱を発生させます。
この温熱刺激により血液の流れを良くし、硬くなった筋肉を緩める効果があります。
また艾の薬効によって逆子や不妊症など婦人科疾患にも強い効果を発揮します。
血流改善に効果が高いので当院でもお灸は良く使います。
直接お灸を肌に触れさせない間接灸もあるので、お灸が怖い方には間接灸を利用します。
■ どんな症状に効くの?
肩こり・腰痛・膝の痛みなどの一般的に見られる疾患は勿論、冷え性や逆子・体質改善にも力を発揮します。
冷えからくる痛みや、婦人科疾患にも高い効果があります。
お灸をして温めてから鍼をすると効果が上がるので、当院では夏場でもお灸をしてから鍼を行うことが多いです。
冬場にはほとんどの方にお灸を使うので院内はお灸の匂いに包まれます。
■ どのくらいのペースで行えばいいの?
辛い症状であれば毎日行って構いません(基本的には熱さを感じるまで行ってもらいますが、早く症状を改善させようと一日に何度もお灸をするのは避けましょう、火傷の原因となります)。
症状が治まってくれば、何日かおきにしても構いません。
継続することで効果を発揮します。お灸はあなたの身体の治癒力を引き出してくれるでしょう。
◎家庭で出来る万能薬
お灸は肩こり・腰痛・膝の痛みのみならず、多くの症状に効果があります。
インターネットでも症状別のツボの位置が沢山出てきます。
お悩みの症状があれば、まずは家庭で自分でも挑戦出来る、台座の付いたお灸をオススメします。
台座の裏がシールになっているので、ツボのある個所・又は自分が触っていたいな冷たいなと思っている場所に台座灸を貼り、後は火をつけるだけです。
自然に火は消えますし、灰が落ちないように工夫もされているので安全です。
1個お灸をするのに5分で出来るので忙しいあなたでもきっと継続できますよ。
温かい刺激に癖になる方も多いと思いのでは。まずはお灸生活を始めてみましょう。