小学生のジャンパー膝
このところ小学生・中学生が多いので改めてうちの施術について話しておきます。
当院は鍼灸専門院なので、鍼(はり)とお灸を使います。小学生でも中学生でもそれは同じ。
年齢が低いほど肌が敏感なので無痛ではありません。
とにかく怖いから痛いのは受け付けないと言う方は他の鍼灸院に行った方が良いですよ。
他の鍼灸院ではほぼ無痛で施術を受けられるところが多いです。
当院には何をしに来院されるのですか?
痛みなく練習が出来るようになる為ですよね。
痛みがあってずっと練習出来ないよりは、その場である程度痛みが取れて練習出来た方が良いんじゃないでしょうか。
最近来院している小学校6年生の男の子、体操をやっていて膝が痛くなり、暫く体操教室に通えない日々が続いていたそうです。
鍼は怖いけど練習はしたいと母親に引きずられながら来院しました。
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)への鍼灸
この子の症状は膝のお皿とその下の方がモヤっと痛いと言うものでした。
どこが痛いか明確では無いけども、膝のお皿の方が痛くて普段歩くのも響くそう。日常動作が出来ないなんて辛いですね。
当鍼灸院は筋肉に鍼を打つ専門院なので、膝の皿には鍼を打ちません。
そんなところ刺したって膝蓋骨(しつがいこつ)に鍼が当たって終わりです、何も症状は変わりません。
私が狙うのは太ももの前の筋肉、大腿四頭筋です。
筋肉は腱を接着剤として骨に付着しています。
大腿四頭筋は膝の皿の下を通って脛骨粗面と言う膝の下にある骨に止まっています。
大腿四頭筋が弱ると筋肉が縮んでしまうので、腱が引っ張られて骨に付着している辺りが痛むのです。
なので悪さをしているのは太ももの前の筋肉です。
そこをしっかり揉んでやると、その中の一部分が固くなっているのが素人でも分かると思います。
私の指先にはセンサーが付いているので皆さんより何倍も鋭敏になっています。
そこに鍼を刺すのですが、1本1本打つ角度も深さも違います。そこが鍼灸師のセンスの見せ所です。
10年もこの仕事やってりゃ誰でも分かるわ!とは言わないで、自慢できる特技はこれしか無いのだから。
抵抗する小学生
悪いところに鍼が入るとズドンと刺激があります。
これが良いところに鍼が入った証拠。
うちの常連さんはこれが無いと来た気がしないと言いますが、小学生にはちょっと我慢が必要です。
今回の小学生はビクビクしながら施術を受けていて、1本鍼が刺さるたびに起き上がって確認し、自分の指でさすってはお母さんに痛い痛いと報告してました。
終いには本数制限をされて、太ももには後4本しか打っちゃダメと言われてしまいました。
大人は気を使うけど、子供はハッキリしてるから怖いです。
約束の4本を打ってから、立ち上がって痛みを確認して貰いました。
足を動かしたり屈伸運動をしてもらい、「あれ、さっきより痛くない」。
そうなると怪しいオッサンも少しは信用して貰ったようで、もう少しだけ本数を打たして貰って1回目の施術は終了となりました。
鍼施術リベンジ
先日2回目の来院。
また少し痛くなってきたのでと施術を受けに来てくれました。
痛がってたからもう来ないかと思ったけど、効いたので来院しましたとの事でした。
お母さんは仕切りに全身鍼を打ってとお願いするのだけど、肝心の息子は及び腰で頑なに足だけの施術を希望してました。
最終的に腰までの施術は認めてくれてくれましたが、やはり今回も本数制限があり思ったようには打てませんでした。
小学生はやりにくいです。中学生・高校生になって来ると、施術が終わった後の状態を考慮してくれるので自由に打たせてくれるのですけどね。
鍼灸はおまじない?
以前何度か言われたことあります。「鍼灸はおまじないよ、効く人と効かん人があるんじゃけん」と。
確実に鍼灸師に対してケンカ売ってる言葉ですが、一部事実もあります。
1度で全快に持って行けない事は多々ありますし、ご期待に沿えず結果が出せないこともあります。
100%では無いと言う意味で、効かない人がいると言われると反論出来ません。
我々は効かない人を如何に少なくするかで毎日切磋琢磨しています。
100%効かすように出来るようにはならないでしょうが、少しでも精度を上げられるよう努力しているのです。
お金を頂いて施術をしている身なので、辛辣な意見は厳粛に受け止めなければなりません。悔しいけど頑張るしかないわな。
お父さんお母さんへ
鍼灸で100%痛みが取れる。
とは言いませんが、年齢が若いほど結果が出やすい事は間違いない事実です。
子供が痛みがあって練習が出来ない・日常動作にも支障がある・夜も痛がって眠れないなどの症状があれば、鍼灸はお役に立てる可能性が高いです。
特にスポーツをやっている子供や、身長が伸びている時に起こる成長痛などは鍼灸がお役に立てます。
子供を説得して来院させて頂ければお役に立てるよう頑張ります。
ただし、当院は無痛では無いのでそこは子供さんに説明しておいた方が良いですよ。親子喧嘩の原因になりますので(笑)